両親の終活への向き合い方 其の二(全二回)
具体的なライフプラン作成の手順を考える
「前回記事のあらまし」 前回に引続き、時期的に終活について記載します。
今回は、私自身が「終活」ライフプランを作成する際の手順の一例をご紹介します。
STEP ① 目的の説明
両親自身のライフプランを作成し、今後の両親たちの生活に係るキャッシュフロー(CF)を可視化することで、毎月使用できる生活費水準や車の買い換え・海外旅行などのレジャーの目安を計算することを通知(お金はあの世まで持っていけないので、上手に活用してあげるための指針がライフプラン)
あわせて、知り得た内容を相続人(子)とシェアすることやどの範囲までシェアするかのすり合わせ(この確認で、色々と見えてくる部分が多いです。)あくまで、目的は現役世代(子)のライフプラン上のリスクを洗い出し、適切な対策を講じることなので、両親の考えを最初の時点でしっかりと確認することは欠かせないフローです(ここで、子には財産は全く見せないと言う話になれば、両親への金銭的サポートが発生する蓋然性のみをお伝えします)
STEP② 資産の洗い出し
まずは手をつけやすい部分から資産を洗い出します。そこで、預貯金や有価証券といった流動資産を整理します(必要に応じ不動産なども整理しますが一般家庭では流動資産が中心です。)通帳や保険証券などを提出してもらい整理をしていきます。(ちなみに、リモートだとこのプロセスの実施は難しいため、今後も対面型でこの作業は実施する予定)
STEP③ 将来収入・支出の試算
(収入の部)年金額や事業を行っている場合は小規模共済などの退職時資産を試算
・確定申告書、ねんきん定期便等を確認
(支出の部)両親たちと話しながら、希望を確認
日々の生活費の試算について家計簿などあれば良いですが、無い場合にこの精度を上げることが重要です。具体的には、通帳のデータを集計し、金額推移から生活費を推計していきます。この推定がどのような精度で行えるかが腕の見せ所でノウハウと自負している部分です。
(支出の試算次第でライフプランはいくらでも変わるので、蓋然性や確からしさをどれだけ確保できるかが重要)
STEP④ シミュレーション作成
上記情報を踏まえ、いくつかのシミュレーションを必要・要望に応じ作成します。
「通常シナリオ」: 現状数値と世の平均値を使用
「保守シナリオ」: 以下のようなシナリオを織り交ぜながらオーダーメイドで作成
・105歳まで生存シナリオ
・片親が早期で亡くなるシナリオ(特に母親が家事全般を行う場合、母親の早期逝去はリスク)
・70歳等の若さで両親が介護になるシナリオ など
STEP⑤ シミュレーション結果の相続人(子)への共有
シミュレーション結果をもとに適切な資産防衛に向けた対応策を説明し、その後両親と対話する機会を設定していきます。
このように非常に骨が折れる作業を行うことで、将来のお金面でのリスクに備える方策を採ることができていきます。私自身も、本人のライフプラン作成依頼に加え、ご両親の終活サポートを行うときは片手間で行える作業ではないので受注量のコントロールが必要になります。
確かに労力のかかる作業ではあるものの、本人やその家族の生活に当面の懸念がない場合は、両親の生活環境についてはしっかりとフォローしておくことをおすすめしたいです。
自分たちからは切り出しにくい話ですが、「終活」の話は、早く始めるにこしたことはないので、きっかけを大事にされると良いと思います。主なきっかけはご両親の勇退時期・大病の時期・身近な方のご不幸・盆暮れの帰省時などがあります。(恥ずかしながら私の場合は理想論を語りながら、親が病に倒れた際でした。)
実際に私自身も両親(まだ働いてますが)とこの話を行い、色々と整理をしましたが、両親自身の将来CFも色々と見える化したため、実際に整理してみるとお互いすっきりしました。
そろそろ、私たちも考えないとなぁと漠然とお考えの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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