キャリアパスを考える(上司・先輩ガチャでの失敗リスクを低減)
OB訪問を通じて、社会人スタートで躓かないための心構えを考える
以前、久しぶりにOB訪問の依頼を受けてみて、お会いした方から第一生命(私が以前勤めていた会社)への入社を決めたとしたという連絡がありました。(前職に少し恩返しができて嬉しかったです)
新型コロナウイルスの影響で、就職活動のあり方も大きく変わっているようですが、そもそも新卒一括採用方式も今後どんな動きがあるか気になる部分です。
新卒一括採用については、経団連の故・中西前会長の発言がメディアでもよく取り上げられいたので、様々な関心があろうかと思います。
「終身雇用制や一括採用を中心とした教育訓練などは、企業の採用と人材育成の方針からみて成り立たなくなってきた」 「新卒一括採用で入社した大量の社員は各社一斉にトレーニングするというのは、今の時代に合わない。この点でも考え方が一致した」
(2018年9月3日、定例記者会見より) ( 「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」の中間とりまとめに関する記者会見より )
あわせて、2021年に改訂されたコーポレート・ガバナンスコードにおいても、多様性の促進を行うべく、中途採用者の管理職について開示を求める流れとなり、大手企業を中心に新卒採用の在り方が徐々に変わっていくことが予想されます。
学生の方や20代の方には、会社にしがみつくのではなく自分自身のキャリアパスを自ら描き、独立自尊できるような姿を目指してほしいと切に願います(30代以降も同様ですが)。ちなみに、OB訪問で必ずといってほど聞かれるのが、「学生時代に取組んだ方が良いことってありますか?」という質問です。
講釈を垂れるのは好きではないのですが、私がアドバイスすることは、会社や仕事を好きになる方法です。
入社して会社が好きになれるかどうかは、精神衛生上も重要なので、単純に「褒められる・感謝される人材になること」を目指して、バックキャスト(逆算)して必要な行動を心がけてみてくださいとお伝えしています。言うは易く行うは難しですが、具体的には以下の2つを学生時代と入社後に注力することをお奨めしています。
- コミュニケーション力(社交性・度胸)の鍛錬
- 効率的な業務に必要な知識習得
前者は、苦手な方もいますが、学生時代は色んな交流や勇気のいることにチャレンジする絶好の機会なので、積極的に手を挙げる習慣を意識的に取り入れてみることが自身の将来価値に響いてくると思います。正直、この力が弱いと、運が悪く変な上司や先輩に当たり、理不尽な扱いを受けて自己否定してしまうリスクが高まります。出鼻を挫かれるというリスクを回避するためにも、学生時代に社交性を身につけることは大事でお金もかからない自己研鑽なので効果的です。
後者の知識は幅広いですが、「語学」「デジタル」「法律」の3つが大事と考えています。
「語学」・「デジタル」は学生時代の残り時間で学ぶことを強くお奨めしています。たとえば、語学は、留学しなくとも今ではSkypeなどでも学ぶことはできるので、話せて損はないですし、駐在のチャンスも近づきます。私も駐在してビジネスに携わっていたおかげで前職でも、転職後も海外案件が舞い込んだ際には、社内でチャンスを頂く機会が多く、自分の存在価値を示すことができています。
「法律」は、闇雲に民法や刑法を学べと言うことではなく、入社して自分の配属部署に関わる法律を学ぶことをお奨めしています。企業は法律に基づいて活動しているので、所属した部署で関係する仕事を覚えながら、その裏付けの法律を学ぶと、上司・先輩・同僚からも一目置かれます。
人事部なら労働基準法、総務部で総会の仕事をするなら会社法、営業なら属する業界の法令や民法など、仕事と法律は切っても切れない関係なので、配属されて仕事のイメージがつくようになってから法律を学んでほしいと考えています。
さて、学生の話や若手社員の話をしてきましたが、知人の会社が、新入社員や若手社員向けに数年間にわたり伴走型で育成フォローを行う研修プログラムを長らく提供しています。一過性の研修と異なり、講師がSNSなどを用いて定期的に若手社員とコミュニケーションをとりながら、会社とのハブになっているサービスですが、非常に高い成果(低い離職率や高い営業成果)をあげているようで、良い研修担当者と巡り合うことは大事だなと改めて認識しました。
「金の卵」と呼ばれる若手社員の育成については、悩みを抱える経営者も多いと思います。
研修の仕組みや育成方針についてお悩みの方、若手社員の方で自分のキャリアにお悩みの方は、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。