中小零細企業における人事部機能保持の費用対効果。「お試し人事課長」サービスのご案内

数社の人事機能整備・立て直しに携わる中で見えてきた人事機能の現実的な持ち方

年度末も近づき、最近は就業規則変更に係る支援に関する受注・ご相談の機会が多くございます。
中小零細企業の場合、就業規則を作成してから、10年近く修正していないケースも珍しくはありません。ここ数年でも、育児介護休業法の見直し(令和4年も施行が目白押し)、働き方改革関連で残業時間の上限規制や年次有給取得の強化といった変更、さらに今や巷にあふれる様々なハラスメントへの対応といった内容が労働法規制の世界では目まぐるしく変わっております。
しかしながら、それらの状況を就業規則にアップデートできていないケースは少なくはないのが実情です。

就業規則変更の場合、単にリーガル面でのアップデートを行う場合もありますが、私の場合は、経営者の方と話す機会を設けるようにしているので、そうすると会話の中で人不足・後継者不足など「ヒト」に関わる問題意識やお悩みを本当によく耳にします。特に、就業規則の整備も中小零細企業の場合は、大企業のようなコンプライアンス上の作業ではなく、今後の優良人材を採用や頑張っている従業員に安心して働いてもらうための環境整備というのが大きな動機になっているケースが多いように感じます。

そのこと自体は素晴らしいのですが、優良な人材をAttract & Retainするには、一過性の自己満足的な施策ではなく、職場環境の整備を継続的に行うことが重要なことは言うまでもありません。予算や人的資源が限られる中では、どれだけ効率的に、アイデアを振り絞り施策を講じていくかがポイントになります。ただ、中小零細企業になると、どうしても目の前の受注・生産・事務処理などが手一杯で、戦略的な採用や人材育成まではどうしても後回しになるのが実情と思います。(私自身の両親も岡山の田舎で、小さい企業を経営しているので、そのあたりの肌感覚は多くの企業に当てはまることを多くの経営者の方と話して確信しています。)

とはいえ、従業員が10名前後の中小零細企業で人事に特化した人材を採用するのは、VCなどから資金調達を行い上場でも目指す新興企業ならとにかく、一般的な大多数の企業では費用対効果として今一つであると思います。

そこで、最近「お試し人事課長」というサービスを始めました。

「顧問●●(弁護士・税理士・社労士)」という、士業・専門家による月額チャージの顧問サービスは巷にありますが、顧問契約は主に問題が生じたときに頼る番犬的な役割です。それとは異なり「お試し人事課長」というサービスは、人事業務に特化した従業員を雇用するのではなく、期間限定の外注方式で、自社の抱える人事関連の課題を一緒に解決していくハンズオンの支援です。

具体的には、自社の課題解決に向けた一定のプロジェクト(採用増加、離職率減少、人事制度改定、研修強化など)を設定し、そのプロジェクトを行いながら、日々発生する経営者の「ヒト」に係る悩みを一緒に解決していくものです(一定の軸となるプロジェクトは必ず設定して貰っています。軸となるプロジェクトを通じてそこで働く従業員の人柄や社風を知る機会は重要なので。)。
私自身と企業は雇用関係にないので、毎日出社をしたりはしないですが、ハンズオンでクライアント企業のスタッフのお時間を一部借りながら、課題解決に向けた実効策をどんどん打ち出していきます。いわゆるコンサルタントといえば、コンサルサービスなんですが、資格も保有しているので実務の部分でもサポートはできるので、ある意味、顧問契約+コンサル契約+実行支援のようなイメージと思えばわかりやすいかと思います。

幸いにも、以前勤めていた会社で人事業務を一通り行っており、現業でも大手企業の人事コンサルを行う機会が多いので、企業の抱える人事関連の課題や解決に向けた勘所や手法、そして必要なネットワークは一通り持っているので、大抵の人事関連の課題への施策には対応できています。

実際に、現在2社のお試し人事課長(3~6ヵ月の期間)を行っていますが、人事機能を有していなかった企業のため、改善点も多く、目に見える効果が出やすいので個人の仕事としての手応えはもちろんですが、企業の価値向上に貢献できている部分では非常に達成感のあるサービスだなと自負しております。この手のサービスは、ノウハウ的な知見や個人のネットワークがものを言いますし、支援するパートナー(コンサルタント)とクライアントの相性もあるので、属人的なサービスであることは理解しており、私も「お試し人事課長」の受注を増やしすぎると色々弊害もあることは認識しています。

社労士事務所を開設して、中小零細企業の経営者とお話しする機会が格段に増えましたが、中小零細企業こそ従業員一人あたりの貢献度(欠かせない度合い)が高く、「ヒト」に対する課題への正しい対処が企業の存続を左右していくことを日々強く実感しております。
今回は、広告のような記事で恐縮ですが、中小零細企業の経営者や従業員の方で、「ヒト」関連の課題感をお抱えの方のご支援を通じて、働きやすい職場環境の整備や企業の風土改革の一助になりたいなと最近強く考えるようになり、その所信表明も含めて記事を記しました。